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クリストファー・ノーランの「オッペンハイマー」(原爆の父)日本公開未定 Why this movie isn’t seen in Japan. アカデミー賞 に数々ノミネート確実。2回観た感想です。
予告編 (英語版) https://www.youtube.com/watch?v=uYPbbksJxIg
『クリストファー・ノーラン ベスト10』 https://www.youtube.com/watch?v=pVpfywbISl0&t=5s
レビューしてない新作や日本公開前の映画、見ている映画のコメントをしています。ツイターもご覧ください。https://twitter.com/NobiNobiMovie
*映画をA,B,Cで評価します。
評価の基準
A+ この映画に恋した
A とてもとても感動した
A- とても感動した
B+ 質がよい
B 楽しめた
B- ビミョウ
C 見なくても良かった
私にとってのいい映画
1)感動させる、泣いて笑えた
2)作り手の情熱、伝えたいメッセージがある
3)新しさ、個性、作家性、芸術性がある
#オッペンハイマー #アカデミー賞
Dear Kato-san I am T. Seno. I cannot wait for your 感想 of this movie. I really cannot wait. Please publish it soon. Of course I can talk with you by ZOOM but I hope to see your “Work”. Please make me see your 感想 as your work. I hope so. If this cannot be… I will talk with you by ZOOM. Anyway Good morning. I like and love you so much. いつもありがとう。
「微妙なテーマを縫う」大変素直で正しい感想だと思います。
ただ史実や原作を知った上で、また被爆者の立場で見ればかなり違うでしょう。史実ではオッペンハイマーは戦後も原爆開発と使用を強く推進し、水爆に反対したのも2か月だけ、又広島への悔悟は一切語ってません。なのでこの映画の前半は嘘です。監督は主人公の個人的苦悩とそれを公聴会で更に批判する事で原爆に肯定的なアメリカ人にも受け入れられる形で問題提起したのでしょう。だが多くのアメリカ人には前半の悲惨さはただの空想、後半では主人公の偽善性が暴かれ、最後は水爆の父と共に賞賛されるので原爆肯定と受け取ったようですね。
あなたの言うよう原爆はその「過剰な残酷さ・無差別性」で明らかに戦争犯罪でこれは1945年においてもです。原作に記述ありますがスティムソン長官もオッペンハイマーも投下前にそれを理解してます。また科学者は核分裂の放出エネルギーが巨大である事を計算しておりオッペンハイマーは投下前に被害者が焼かれ悲惨な状態になる事を理解していたはずです。又原作は映画と異なり原爆に明確に批判的で、科学者が広島投下前に海上投下など人に落とすなと運動した事、それにオッペンハイマーが悉く反対した事を詳しく記述してます。
これらが示す原爆開発者&使用者の想像を超える残酷さ・違法性を知り、かつこの映画が広島の悲惨な映像を見せず戦争犯罪である事を未だに隠しているのを考えると映画は到底好きになれません。欧米の大多数の観客は、史実・国際法・被爆者の悲惨さ、を知らずただ華麗な映像に夢中になり混乱した時制で焦点を失い、主人公の苦悩だけ受け取り原爆の是非は置き去りにしたように思われます。結果として彼らにはアメリカが未だ主張する原爆の正当性に沿った映画という事で問題提起は失敗、演出面で絶賛なのでしょう。
一方日本では正しく評価されれば批判されるべき大作でしょう。ただ富士山芸者を時代錯誤的にくり返した「サユリ」が日本で批判されないように、日本では映画を正しく批判する文化がないので、肯定否定が入り混じった曖昧な評価になるのと推測してます。