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🎬 映画情報|『ナンシー』(Nancy)
📅 公開年:2018年
🌍 製作国:アメリカ
🎞 ジャンル:ドラマ/サスペンス/心理スリラー
🕰 上映時間:87分
🎬 監督・脚本:クリスティーナ・チョウ(Christina Choe)
⭐️ 主演:
・アンドレア・ライズボロー(ナンシー役)
・J・スミス=キャメロン
・アナ・デガルザ
・スティーヴ・ブシェミ
🏆 受賞・評価:
・サンダンス映画祭 2018 審査員特別賞(主演女優賞:アンドレア・ライズボロー)
・ロッテントマト批評家スコア:84%(Fresh)
📺 視聴方法:Amazon Prime Video などで配信中(※配信状況は要確認)
・予告編&本編を観る https://amzn.to/4n5Zq2u
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ネタバレ感想
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ナンシーは「演技性パーソナリティ障害」だったのかな。嘘で人とコミュニケーションをとることで、自分の存在を肯定しようとしている。自分は何かの犠牲者であるという役割を過剰に演じてしまう。そういう症状が出る病気。親からの愛情を十分に受けられなかったり、周りの人に自分を認めてもらえなかったりすると、それが原因になる事が多いらしい。だから最後、無償の愛を渡されたことで我に返ったのかもしれない。
救いようのない何かが起きたとき、何でもいいからすがりたいと思ってしまうのは自分がバラバラにならないためだ。虚しいこととわかっていながら、思い込んだり目をそらしたりすることで心を一つの箱に閉じ込める。その箱が開いてしまったら結局心はバラバラに飛び散ってしまうけど、それをきちんと繋ぎ合わせなきゃ心は闇に沈んだままだ。ブルックのお母さんは、結局見つからなかったブルックの代わりにナンシーを愛すことにしたんじゃないかな。でも、ナンシーはその愛を受けて家を出てしまう。
無償の愛を浴びることで自分のしている事の愚かさに気付いたナンシーと、ナンシーが家を出ていったことで虚しさに気づくブルックの母親。一緒にいるより別れた方がいい。ナンシーの出ていくという決断は、二人にとって最善だったと思う。しかし、その別れが愛によって訪れたものだと言うことがとても悲しく切ない。
エンドロールで余韻を噛み締めたあといろんな人のレビューを読んでみたら、「これはミステリーじゃなくてヒューマンドラマだ、宣伝の仕方を間違えている」って意見が目についた。観終わってみて、確かにこれは「フタを開けたらヒューマンドラマ」だったなって思う。でも、ナンシーと老夫婦の表情からそれぞれが抱える闇を必死に覗いてハラハラドキドキそわそわできたのはミステリーとして見てたからだし、それが最初からヒューマンドラマだよって言われてたら全然別物になっちゃうと思う。私はこの映画をミステリーとして楽しめたし、未観賞の人には迷わずミステリーとしてオススメしたい。
こういうラストに余韻が残る物語、すごく好きです…
全員が良かった!っていう話ももちろん良いんですけど、見た人の感想が賛否両論で、考察の余地を残しつつそれぞれの考えを言い合える作品は名作ですよね…
マルチエンディングのゲームとかにも似たような良さがあるのかも?